2014年9月26日金曜日

グラインドボーン音楽祭 Glyndebourne

6月の半ばにわが家で集まりがあった。職場のボスとそのお嬢さんにも参加してもらった。この上司米中西部出身の女史である。わが家の廊下の隅に重ねてあるウィーンの国立オペラのポスターの山を興味深そうに観ていた。ウィーンに2年住んだ時に観劇のたびに買い集めて、その後額装したものが20枚くらいある。思い出の品なので処分もできない。

しばらくしたら「7月のグラインドボーンのチケットがあるから一緒に行こう」と誘われた。グラインドボーンというのは知る人ぞ知る英国の夏の音楽祭だ。クラシック音楽に憧れはあっても経験が浅いわたしには猫に小判のはずだった。赤ワインとシャンパンを合計7人になった参加者が持ち寄ることになった。この劇場にはダイニング・インタバルと言うのがあって幕間にピクニックをするのが伝統になっている。アルコールが入って音楽が退屈だった場合、不覚にも意識を失った経験がある。はらはらして当日を迎えた。プーシキンの韻文小説「エフゲニー・オネーギン」をもとにチャイコフスキーが書いたオペラだった。ロンドン・フィルの演奏。気鋭の若手指揮者のことが英ガーディアン紙などで絶賛してあった。眠くなるどころの話ではなかった。この英字幕付きのオペラは最高に面白かった。